*読書記録*
2024-01-16T04:43:54+09:00
happiness_riki
ミステリメインに読み散らかした記録
Excite Blog
『人の砂漠』沢木耕太郎
http://happinessr.exblog.jp/33638742/
2024-01-16T04:43:00+09:00
2024-01-16T04:43:54+09:00
2024-01-16T04:43:00+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家さ行
深夜特急シリーズが有名な作家さんだが、読むのはこれが初めて。
そして読み始めたのは実に数年前という……
短編のルポ集なのだが、その1作目「おばあさんが死んだ」という作品の内容を
何かで知り、それを読みたいと入手したのでその作品以外にはあまり興味が持てず
なんとなく放置してしまっていた。
大御所といって差し支えのない作者さんが「ニュージャーナリズムの若き担い手」と
紹介されてるくらいの古い本なので(文庫の初版が昭和55年)、扱っている内容も
かなり古くなかなか読むのに難航した。
最初に言ったようにこの作家さんの作品というかルポルタージュを読むのが初めてなので
こういう書き方が特徴なのか、それとも若い頃の作品ゆえなのかわからないのだが、
一つのテーマの中で複数の人物を取り上げているものが非常に読みにくかった。
最初にある人物の話をし、その後別の人物の話にうつり、また突然最初の人物の話に
戻ったりと、まぁ別に書き方が変というわけでもないのだけど、何故かすごく唐突に
話が切り替わった印象を受けてしまった。
私があまり興味がない分野のルポだったせいかもしれないけれど、人のつながりの
劇的な部分などはもう少しわかりやすくできたんじゃないかと思ってしまう
とはいえ、興味がない分野でも難航しながらもそれなりに面白くは読めた。
最後に収録されている「鏡の調書」もどこかで聞いた覚えがあるような気がする事件で
これも興味深く読むことができた。
ただとにかく1作目の「おばあさんが死んだ」のインパクトはすごい。
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『鵼の碑』京極夏彦
http://happinessr.exblog.jp/33550526/
2023-11-24T05:05:00+09:00
2023-11-24T05:05:43+09:00
2023-11-24T05:05:43+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家か行
17年ぶりに彼らが帰ってくる!
もうすっかり続編を諦めていたのでその知らせは本当に衝撃だった。
京極先生がもう設定を忘れたと言っていたとかいう話をどこかで見た気もしたし。
そんなわけで発売日にウキウキして買ったのに、その久々な厚さについ尻込みしてしまったが
ようやく読みました!
この作品をいつから執筆していたのかは知る由もないけれど、北朝鮮からミサイルが飛んできたり
ロシアとウクライナの戦争が起きていたりするこの時代に出たことに何か意味があるのかと
つい思いたくなってしまうけれど、構想自体は17年前から考えてたのかもしれないし……
まぁその辺は考えても仕方がない
ただとにかく読むのには苦労した。
重い(物理的に)というのもあるけど、こういう構成の作品って苦手……
章ごとに追っている謎は変わるのに、それが少しずつ重なって──ってまさにそこが面白いわけではあるけど
あるんだけど、チラッと出てきた名前が別の章でも出てくると「誰だっけ?!」ってすぐなるので……
今作は出てくる人物自体はそんなに多いわけじゃないんだけど、寒川さんと笹村さんみたいな同じさ行の
名前が出てきて音で混同してしまった……字面では全然違うんだけど多分私が頭の中で音読してるんだろうな。
以下はネタバレでもないけど、まぁ情報を知りたくない人もいるであろうということで配慮
最後に挨拶をした彼らって巷説百物語シリーズの流れを汲むって匂わせだよね??巷説シリーズ、3作くらいまでは読んだんだけど(確か記録も書いてる)、
彼らと、彼らに関わってしまった彼との関係性が好きだったので、確か過去編みたいなのが出た時に
ちょっと読む気が失せちゃって積んである……
百鬼夜行シリーズ(っていうのをすぐ忘れてしまうのだが)を読み返したい気持ちもあるが、
今回出てきたことで巷説シリーズも読みたい気持ち……全部は所持してないんだよな……
ちょっとばかり読書熱も戻ってきてる感じなので色々読みたい。
このままじゃ死ぬまでに絶対読めない積読本が多すぎる
あとは緑川という、唐突に出てきた(よね?)女性。
学生時代に関口くんや中禅寺、榎さんたちと親交があったようだけど、あの関口くんがわりと
スラスラ喋れる相手ってすごくない?!
それでもって、なんとなくあの中の誰かに好意を寄せていたような匂わせがあり……
榎さんではなさそうだなと思ったんだけど、本命は中禅寺なんだけど、でも大穴で関口くんも……ない?
ただちょっと残念だったのは、この緑川という人物が聡明で、人当たりもよくて、背が小さくて若く見えて
雛人形のように華奢で綺麗で、しかも学生時代にみんなが遠巻きにきゃーきゃー言っていた榎さんと普通に
喋ってて、当然中禅寺や関口くんたちと親交があって……ちょっと盛りすぎじゃない?
なんというか、立場的には全然ヒロインではないんだけど、ヒロイン属性盛り盛りすぎる。
決して緑川は不快な人物ではなかったし、むしろ話を進める推進力であったわけだけど
「物語に出てくる女性、出来過ぎ問題」あると思います。
まぁすごい顔が残念とか書くわけにもいかんだろうとは思うけど
そしてこれは本当にネタバレになるので、行間開けます。注意
夜光塗料って今でもあるけど、そんなにすごく光らないよね?
今の時代の夜光塗料は当然ながら放射性物質は含まれていないものだと思うんだけど、その差?
ラジウムが使われていた夜光塗料はもしかして本当にそんなに光っていたの?
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『ベスト8ミステリーズ』日本推理作家協会編
http://happinessr.exblog.jp/33543513/
2023-11-19T18:07:00+09:00
2023-11-19T18:07:33+09:00
2023-11-19T18:07:33+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家な行
好みという点を差し引けば、やはり日本推理作家協会が選出しただけあって
一定の水準は満たしている作品ばかりだと思う
(超偉そうw)
好みだった作品は
・偽りの春
・ただ、運が悪かっただけ
苦手な作品は
・階段室の女王
階段室の女王に関しては単純に自分のエゴが招いた誤解を解くことができないことのイライラ感が苦手。
基本的に「本当のことを言ってるのに信じてもらえない」系の作品は苦手なので、本当に相性の問題
我孫子さんの作品は以前に別の短編集で読んでいた
宮部さんの作品も面白く読めたけど、ミステリーというよりファンタジーだよなという印象だった
最近は読書ペースが落ちているので、短編集の方が読みやすいといえば読みやすいのだけど
逆に1編読んじゃえば先が気になるということもない分、次の作品を読み始めるまでにかなり
放置してしまうこともあるので一長一短
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『絶対惨酷博覧会 都筑道夫短篇コレクション』都筑道夫 日下三蔵編
http://happinessr.exblog.jp/33543493/
2023-11-19T17:52:00+09:00
2023-11-19T17:52:23+09:00
2023-11-19T17:52:23+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家た行
都筑さんといえばなめくじ長屋シリーズが有名なのかもしれないが、個人的にはショートショートに思い入れがある。
何がきっかけで購入したのかは忘れたが、25階の窓という短編集(ショートショート集)で一編、ものすごく
印象に残った作品があり、そこからショートショートの作品集をずいぶん集めた。
今作は全部ではないが、単行本に収録されていなかった作品などを集めた短編集。
当然ながら書かれた時代が古いので作品全体に古さを感じてしまうし、細かいところはどうでもいいんだよ的な、
今の時代に書いたものならそもそもボツになったのではなかろうかというような、つまりぶっちゃけあまり
面白くない作品もある(もちろん個人の感想です!)。
まぁ単行本に収録されなかったのってそういう意味だよね、みたいな。
ただやはり発想の豊かさは感じられる。
細かいところはどうでもいいんだよが通ってしまうこの時代に書かれた作品だからこその内容というか。
真面目に読んだら「そんなわけあるかよ!」ってなってしまうのは確かなんだけれど。
好きだった作品も今読み返したら同じような印象を抱くのかなって思うと、それはちょっと悲しい気がする。
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『涙香迷宮』竹本健治
http://happinessr.exblog.jp/33383559/
2023-08-09T01:01:00+09:00
2023-08-09T01:01:23+09:00
2023-08-09T01:01:23+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家た行
このミスで1位を取った時にハードカバーで購入
しかしそのまま寝かせに寝かせ、文庫本が出てしまっても寝かせ続け…
発行されたのが2016年、ようやく読むことができた
さすが竹本健治って感じの暗号ミステリだった。
まぁ暗号部分は起きる事件とは直接関わらないし、なんというか素人が簡単に
溶けるようなものではないので、ただ「ほう」と読んでいれば大丈夫
っていうか「ほう」と読んでいてもよくわからない(笑)
主に文庫でとはいえ、わりとしっかり追っかけている方だと思うんだけど
覚えがない作品は文庫化がまだなのか、眼にする機会がなかったのか……
近くにあるような小さい本屋では、というかある程度大きい本屋でも
発売された時期を逃すと店頭ではまず見かけないって本はたくさんあるからな
ところでいつの間に智久と類子はくっついたの……?
多分牧場智久のシリーズはちゃんと読んでると思うんだけどなぁ……
っていうか私は類子があまり好きじゃないので(特に初めて登場した頃)
うーんとなってしまう
っていうか類子って智久のお姉さんとちょっと似たタイプな気がするな…シスコン?
ウロボロスシリーズも最終部は未読だし、でも読むなら最初から読みたい気はするし
生きてる間に読めるかなー
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『湯治場のぶたぶた』矢崎存美
http://happinessr.exblog.jp/33381769/
2023-08-07T16:33:00+09:00
2023-08-07T16:34:33+09:00
2023-08-07T16:33:07+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家やわら行
ぶたぶたさんシリーズももう……何冊目?
今回はちょっと趣が変わって、湯治場などという、若い人には通じないんじゃなかろうかと
思えるような場所が舞台。
とはいえそこはぶたぶたさん、湯治場だけど普通に温泉に入りにきたり、カフェ目当ての
お客さんがいたりと「いつものぶたぶたさん」の雰囲気は何となくある。
ぶたぶたさんシリーズは良くも悪くも結局
・ぶたぶたさんに驚く人
・ぶたぶたさんの美味しい料理
・ぶたぶたさんの心配り
が話の主題になってしまうので、職業がかわろうと環境が変わろうと、何と言うか、
この話はアレだった!となるのが非常に少ない
※個人の感想です
めっちゃシリーズいっぱい出てるけど、一覧見るたびに「あれ、これ読んだっけ?」と
なってしまって慌てて本棚を探すのもお約束
とはいえ、この作品に求めているのは大きな変化ではなく、いつでもどこでも変わらぬ
ぶたぶたさんの姿でもあるので、突然猟奇殺人が起きたりしたらむしろ大変である
さて今作、主題としては本当に今どきの作品もあったりして、その辺は面白かった。
自分はあまり長湯ができないタイプなので温泉は興味がない方なのだが、
温泉を抜きにしてもちょっと人里離れたような場所でのんびりするのは憧れる。
大きな病気をしてなくても、現代人は多かれ少なかれストレスにさらされて、
自分が思っている以上に疲れている人も多いだろうから、そういう機会を作ることが
できたならばもっとラクになるんだろうなぁと思う。
しかしそろそろぶたぶたさんの長編も読みたいと思うところ……だけど、長編だと
どうしても人間の方がドロドロモヤモヤしている描写が多くなりそうな気もするな。
ぶたぶたさんで読みたいのはそういう部分じゃないのが難しいところ
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『暮鐘 東京湾臨海書安積班』今野敏
http://happinessr.exblog.jp/33379466/
2023-08-05T16:43:00+09:00
2023-08-05T16:43:08+09:00
2023-08-05T16:43:08+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家か行
安積シリーズの新刊、短編集
今回は特に安積が部下を守るを強調するような作品が多かった
ただその分、各刑事たちの活躍(特色)がサラリと描かれてしまったような印象
短編だとどうしてもそういう描写をじっくり描く尺が取れないだろうから
ガッツリ長編も読みたいなという感じ
そして今までも何回か書いてきた安積と村雨の、安積からの一方的な苦手感が
今回はなかった気がする
いや、ちょっとは「内心どう思ってるのか」みたいなのがあったけど、前ほど
苦手だとか、杓子定規だとか言わなくなった!
関係が改善している!
相楽との関係も、前の作品で相楽が元上司の命令に従わなかったことでアイツも
臨海書の刑事になったんだ的な見方になったと思ったのに、今回またそれが
リセットされたかのような描写が入ったのでまたかーと思ったんだけど、
要するに安積は「一度苦手意識を持った相手の評価を変える」ことが苦手なんだなと思った
村雨のことにしても、何度も実は思ってるのと違うってあったのにここにきてようやく
苦手意識がだいぶなくなったわけで、ずっと一緒にいる村雨ですらそうなんだから
相楽となんて定年近くまで無理なんじゃなかろうか……
逆に言うと一度「こいつは安心して大丈夫」って思ったらとことん信用するというか
(速水とか須田)
(別に村雨が信用されてないってわけじゃない)
(信用というより好き?←恋愛的な意味じゃなくね)
突拍子もないような発言でもコイツが言うなら、って考えてくれるというか
でも村雨が突拍子もない発言をしたとしてもまぁ一応考えてくれるとは思う
ただ多分村雨の性格的にも、前にもあったけど安積に直接言わずに須田を通しちゃうだろうな
一編がいつにも増して短かったので、安積の正義感と、あとは部下や周りの人について特に
フューチャーされた感じだった。
久々に黒木も活躍したし、速水のカーチェイスもちょっとだけだけど読めて満足。
個人的には紅一点の水野を必要以上にフューチャーしないのに好感が持てる。
正直ドラマからの逆輸入で女性刑事が入った時はちょっと抵抗感があったので、そこで
課のアイドルじゃないけど、妙に活躍させるような展開になったらイヤだなぁと思っていた。
しかし働き方改革とか、内容が現代に即してるけど安積たちはサザエさん時空なわけで……
今後の作品でコロナ関連とかも出てくるのかしら?
っていうか元奥さん関連の話もそろそろ進展させてほしいです!
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『逆ソクラテス』伊坂幸太郎
http://happinessr.exblog.jp/33342365/
2023-07-13T01:13:00+09:00
2023-07-13T01:13:48+09:00
2023-07-13T01:13:48+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家あ行
全体としては面白かったんだけど、読み終わってあんまり印象に残らなかったかな。
繋がりがあったりなかったり、ありそうだなと匂わせ(のつもりではないだろうけど)たり
連作短編っぽいけどそういうわけでもないので、何となくモヤモヤしてしまう。
文庫化記念インタビューでご本人がそういう風にしたくないと意識して書いたそうだから
それはもう狙い通りにモヤモヤしているんだろうと思うけど、特に最初の作品の
子供の小賢しさというか。
言ってること自体は間違ってないけど、その年齢でそういうことを考えるような子供は
正直好きじゃない(笑)
とはいえ、小説である程度主人公というか、メインの登場人物になる子供って大概
年相応じゃないというか、妙に落ち着いてたり屁理屈が多かったりするよね。
まぁ何も考えてない良い意味でアホな子が主人公だと話が回りにくいとは思うけど。
伊坂作品は色々な傾向があるので、合うのもあれば合わないのもある。
世間的に高評価を受けてる作品でも好きじゃないのもあるしな。
色々なのを書けるのは素直にすごいと思う。
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『怪談徒然草』加門七海
http://happinessr.exblog.jp/33316619/
2023-06-25T18:37:00+09:00
2023-06-25T18:37:53+09:00
2023-06-25T18:37:53+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家か行
ホラーが好きな立場としてこんなことを言うのもアレだけど、
私は基本的に自分から「霊感がある」と言う人をあまり信じていない
心霊現象とか、そういうものまで否定するつもりはなく
むしろ科学では説明できない何かはあるのだろうと思っている
ただ、こうして自分から経験談を語って売っていくスタイルは
なんとなく胡散臭さを感じてしまう
(作家さんだからそれが仕事だといえば確かにそうなんだけど)
これは単純に自分にはそういうものを感じることがないし、
自分の周りにもそういう人がいないからなんだろうなと思う
実際この本を読んでいてもこの作家さんの周りにはそういうのを感じる人が
たくさんいて、私からすればそんなに感じる人がポンポン周りにいるの!?となる
怖い目にもあって、それでも自分からそういう場所にわざわざ行くのも
なんで?ってなるし、そこで出来過ぎな出来事に出くわすのも本当に?ってなる
とはいえ、別にこの本の話が嘘だと言いたいわけではない
(多少盛ってない?とは思っている)
そういうのを感じる人と感じない人では世界は全く別物なんだろうなという感じ
この本はあくまでも作者が体験した話をまとめたものではあるが、
私にはフィクションとしてしか読めない
繰り返すが嘘だと思っているわけじゃないけれど、実際に起こったことだと
信じることができる世界に私は住んでいないから
作家さんご本人も世界が違う人間にこういう話を積極的にされる方ではないようで、
多分私のこの感覚も理解してもらえるのではないかと思う
感じることがない人間からすれば、感じた人の出来事はなんかよくわからないし
それを語られても胡散臭く感じるしかできない
これはもう違う世界に生きてるから仕方がない
それなら何故読むのかといえば、やっぱり怖い話が好きだからとしか言えない
そして私は決して体験したいとも思っていない
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『我々は、みな孤独である』貴志祐介
http://happinessr.exblog.jp/33294851/
2023-06-11T00:23:00+09:00
2023-06-11T00:23:37+09:00
2023-06-11T00:23:37+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家か行
始まり方がミステリっぽかったのでてっきりミステリかと思ったら途中から全然ミステリじゃなかった。
っていうか貴志祐介な時点で純粋なミステリを期待したらいかんよな。
(いやミステリ作品もあるけど)
SFになるのかなとは思うけど、最後が壮大すぎて「はぁ、そうですか」としか感想が出てこなかった。
ちょっとスプラッターな部分もあるし、ハードボイルドと言えなくもない部分もあるか。
しかし前世って本当にあるのかなぁと思ったりもしたけど、この作品だとそういうのが全部吹っ飛ぶから
考えても意味がないという……
1番かわいそうなのはひたすらに振り回されていた毬子ちゃんだな
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『天使の囀り』貴志祐介
http://happinessr.exblog.jp/33276269/
2023-05-28T01:44:00+09:00
2023-05-28T01:44:17+09:00
2023-05-28T01:44:17+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家か行
初版は平成12年だってよ!
知人とたまたま話が出て、ふと読み返したくなって再読
細かい部分はアレだったけど、そんな前の作品だったのに大まかなディティールを覚えていたのは
それだけインパクトが強かったということか。
インターネット事情などところどころに時代は感じさせるものの、今読んでもまったく
古臭さを感じさせないのがすごい。
まぁその分野の専門家が読んだら今とは違う部分もあるのかもしれないが、
あくまでフィクションとして読む分には何も問題なく、すんなりと作品世界に入っていける。
しかし改めて読んでも気持ちが悪く、気分が悪く、でもちょっと悲しい話だ。
話もとても丁寧な構成で(生意気発言!)、最初の方にさりげなく出てきた物が
後になってそういうことかと思わずページを遡ってしまうこともしばしば。
こういう時、電子書籍も良いけどやっぱり紙の本だよなぁなんて関係ないことまで思ったり。
ただ今回読み返して、最後の処理を任せてしまって大丈夫だったのだろうか?
もうずいぶん前の作品だからあまりネタバレを気にする必要はないかなと思いつつぼかすけど
処置の際に危険はないのだろうか……と書いてて思ったけれど、そもそも職場がHIV感染患者専用の
ホスピスであることを考えると、処置の際は(当時の)普通の病院より万全の予防対策をもって
行われるだろうからあまり心配しなくて良いのかな?
ってそこまで考えて職場を設定したとしたらマジですごいな、貴志祐介……
ネタバレを気にする必要なないかなとか言いつつ、やっぱり直接的なことは隠しましょう
この話の何がエグいかって、感染した人はもれなく感染したことに気づいたとしても
それを危険なことだと認識できなくなってしまうということ。
それどころか溢れんばかりの多幸感に包まれて、普通に生きてきた今までよりも
ずっとずっと良い気分で、辛いことなどなく過ごせるということ。
最期にどうなるのかを知らなかった人たちはともかく、目の当たりにした彼でさえ
人生が変わったと言い切っちゃうんだから本当にエグい。
最期の状態になってしまった時に例えば痛かったり苦しかったり絶望に襲われたり
そういう物が一切ないまま死んでしまえるのならば、アレはある意味最高の
自殺の方法とも言えるかもしれない。
でもあの青年が世の中そんなに甘くはないんだと教えてくれている。
もしかしたら何もわからないまま死んでしまった人もいるのかもしれないけれど。
むしろ最期の状態になる前に自殺してしまった人たちの方が幸せだったのかもしれない。
って言ったらあまりにも不謹慎かしら
そういう事を考えさせてしまうのもエグいところだよなって思う
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『炎天夢 東京湾臨海署安積班』今野敏
http://happinessr.exblog.jp/33260710/
2023-05-16T22:34:00+09:00
2023-05-16T22:34:23+09:00
2023-05-16T22:34:23+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家か行
いつ購入したか覚えてないけど安積シリーズ新刊だ!と奥付けをみたら2021年7月発行だった。
どんだけ積んでたんだ……
今野敏の警察小説の中でも一際地味な安積班シリーズ。
今回は殺害されたのがグラビアタレントとのことなので、華やかな芸能界を舞台に……と
なりそうだったけど、あんまりならなかったな。
このシリーズ、実は好きな人はすごく好きだけど、苦手な人もいるのではないかと思っている。
それは安積がとにかく作中でひたすら悩んだり被害妄想を抱いたりと悶々としているからだ。
特に安積視点で描かれることが多く、そうすると作中1/3、は大袈裟かもだけど1/4くらいは
安積の悶々を読むことになる。
安積は周りからの評価は上司部下共に高いのだけど、本人は全然自分に自信がなくて、
部下の顔色を窺ったり、自分の発言を振り返って悩んだりと、本当に悶々としている。
特に村雨というとても刑事らしい刑事が部下にいるのだが、彼のことが安積は本当に苦手で、
長年一緒にやっていて信頼もしているのに「自分の今の行動をよく思ってないのでは?」とか
心配しちゃうのだ。
村雨自身にも安積の苦手意識は伝わってて、それでも自分のやり方で安積を支えていくと
考えていて、安積はもうちょっと村雨に心を許して欲しい。本当に。
と、長年やっているシリーズの割に人間関係があまり変化しないのも特徴の一つなのだが
1人だけ初登場当時とずいぶん違っている人がいる。
元々はめっちゃライバル視してて、やることなすこと全部安積の逆をいきたいような人だったのに
今作ではむしろめっちゃ味方じゃん?みたいになってて、ちょっと萌えた(笑)
いやライバル視している点は今も変わってはいないみたいなんだけど、それは前とは違い
ちゃんと安積を認めた上でのライバル視なので捜査上で悪い影響が出るようなものではない。
(逆に言うと前は悪い影響が出かねないようなライバル視というよりは敵意に近い感じだった)
今はまだその人が安積の影響を受けて変わってきたところだが、これから安積が逆に影響を
受けてまた関係性が変わってきたら良いなと思う。
っていうか自分の考えに自信を持つところは少し見習ったほうが良いと思う……
事件が佳境に入り刑事たちの熱量が上がってくると読んでいるこっちも興奮してくる。
この辺はさすがベテランという感じで、決して派手なアクションや捕物があるわけでもないけど
ちゃんと盛り上がりワクワクとさせてくれる。
が、今作ではちょっとフォローというか、描写不足では?と思う点があった。
一つは最初のマネージャーの証言、これが実は違うのでは(故意ではなく勘違いで)という可能性が
出てきたのにマネージャーに再度確認を取る、もしくは取ったような描写がなかったこと。
一応違うのではという可能性が出た時点で裏を取ってみなければと発言はあるんだけど、
それを確認する前に違うこと前提で話が進んじゃって、結局確認を取ったのかわからない。
少なくとも被害者と一緒にいる時間が長かったマネージャーがそんな勘違いをするというのも
若干説得力に欠けるし、そこはちゃんともう一度話を聞いて勘違いしても仕方ないとか何か
納得させて欲しかった。
そしてもう一つは犯人の動機に関して……
ここからはネタバレ全くなしだと全く伝わらないので若干のネタバレありです
犯人の動機となった件が実は勘違いだった、というのはどこでわかったのか?多分本文中でここはミスなんじゃないかなと思う部分があって、
そこの人物名を入れ替えると(○○は△△に、を△△は○○にみたいな感じ)
まぁここで勘違いだったってわかったと取れるんだけど、それだとあくまでの
安積の印象でしかなくて、当事者(犯人の関係者)に裏を取ることもせずに
「動機はそもそも勘違いだ」って言っちゃうのはちょっと安積らしくない。
せっかくその前に当事者に須田が会いに行ってるんだから、そこでその件の真相を
聞いたとか、当事者からでなくても別の噂を聞いたとか、なにか補強がほしかった。
今までの取り調べで安積は容疑者に対しても真摯に話をしていたのに、今回は
あくまでも安積の印象だけで確信して言葉にしちゃうのはらしくなさすぎてモヤモヤした。
(覚えてないからやってない、は警察が根拠にするには乱暴すぎると思う)
そして最後。
偉い人と容疑者候補にプライベートな関係があるのでは?という疑惑が出た後、
さらに詳しいことを相良の部下に調べさせてたはずなんだけど、その件は
どうなったんだ。
これも本人と安積が話をして、その印象でこの人はそんな忖度する人じゃない的な風に
話を進めちゃったけど、それじゃ調べさせられてた部下の人が可哀想じゃない?
全体を通しては面白かったんだけど、なんかややこしい人間関係の方に筆を割きすぎて
いつもの堅実な捜査を若干おろそかにしてしまった印象。
ちょい残念。
あと黒木と桜井が全然出番なかったな……
]]>
『さよならの儀式』宮部みゆき
http://happinessr.exblog.jp/33236150/
2023-04-29T19:10:00+09:00
2023-04-29T19:10:51+09:00
2023-04-29T19:10:51+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家ま行
宮部さんの初のSF作品集ということで
自分は面白さがわかるSFとわからないSFがはっきりしていて、
作品の中のいくつかはわからないSFだった
それは決してつまらなかったという意味ではなくて、
途中までは面白く読めても、最後の意味がわからない
むしろSFにしないでいつものミステリで書いてくれてたら
きっとすごく最後まで面白かっただろうなと思ったりもした
(失礼)
この辺はもう相性というか、読んできた本の歴史とかもあるだろうから
仕方がないと思っている
SFは本当に範囲が広いというか、わかりやすいテンプレみたいなのから
本当に意味がわからないものまで色々あるので
SF小説に出てくる「設定」は結構好きなだけに、ちゃんと自分が
理解できず読めないのが残念ではある
]]>
『営繕かるかや怪異譚その弐』小野不由美
http://happinessr.exblog.jp/33191113/
2023-04-08T13:14:00+09:00
2023-05-16T22:44:56+09:00
2023-04-08T13:14:33+09:00
happiness_riki
*読書記録 作家あ行
その壱(とタイトルにはついてないけど)は先にコミック化されたのを読んで、
それから文章の方を読んだのだが、静かな怪談の雰囲気が気に入ってたので
続きが出て期待したのだが。
今作はちょっと期待したのと違う感じだったなという感じ。
っていうか一作、読み始めてすぐイヤな予感がして内容をおおよそ先見して
飛ばした作品があるので、そもそも感想を述べる資格はないのかもしれないが。
でもどうしても動物が可哀想な目にあう話は読みたくないので……
それを除いても、なんか今回は尾端が何をしたのかが描かれなかったり
(もちろん想像はつくんだけど)
前作は「よくわからないけど、こういう事があって今こういう事象が起きてるなら
こうしてみればとりあえず良くね?」的な話だったのが、今回は「これはこういう事だと思う」
みたいな事象の解説をするというか、とにかくキャラがちょっと違ったように感じた。
そう、前作では起きた怪異は基本的には解決はしてなかった。
解決はしないけど、家に手を入れることによってその怪異が住民に影響がないようにするって
感じだった。
それと比べると今作は、一作目は影響が出ている本人はほったらかしで終わっているし
他も怪異の謎解き的なことが多かった気がする。
怪異自体には何もできない、だから影響がないように逸らすって感じが面白かったので
ちょっと肩透かしに感じたのかも
]]>
『ファミリーランド』澤村伊智
http://happinessr.exblog.jp/32376466/
2022-10-11T04:27:00+09:00
2022-10-11T04:27:43+09:00
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happiness_riki
*読書記録 作家さ行
この作者さんは『ぼぎわんが、来る』(「来る」のタイトルで映画化)が有名なんだけど
実はそっちは読んでない。
今作はSFホラーっぽい話の短編集。
怖いというより基本的に後味が悪い、イヤな気分になる作品ばかり。
中でも「コンピューターお義母さん」は将来的にこんな未来が訪れてもおかしくないような
内容で、余計にイヤな気分になった。
いやまぁ自分が生きてるうちにそうなるかは知らんけど。
インターネットが当たり前になって、色々な技術がどんどん進んで
便利な世の中になった筈なのに、何故か人の心はあまり豊かにならない。
ならないどころか、簡単にたくさんの情報が手に入ること、簡単に自分の意見を世界に
発信できることが逆にマイナスに働いているような気すらしている。
(※個人の感想です)
そんな風に感じてる世界の未来を見せられてるようで、本当に後味が悪い。
(褒め言葉)
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