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『ST 警視庁科学特捜斑 赤の調査ファイル』今野敏

講談社文庫

STシリーズにハマった途端、この第2期が続々文庫化。もちろん偶然なのだが、つい
これも運命!とか、ツイてる!とか思いたいのが人情……。

理想と現実の間には深い溝がある。
その溝を埋めるべく努力することが大切、と言うのは簡単だけれど、実際現場にいる
人にとってそれは決して簡単ではないのだろう。
彼の気持ちもわからなくはない。けれど、それと引き換えに失われたモノもまた
かけがえのない大切なモノなのだ。

結成当初は反発こそしないものの、バラバラな感じもあったSTだが、ここに至って
だいぶ仲間意識が強くなってきたみたいで、そんな様子も微笑ましい。
今回の事件をきっかけに、また違ったSTになっていくのか、非常に楽しみ。

それにしても……。
マンガのような理想の病院なんてないとわかってはいる。けれど、こうして大きな
病院の実態を垣間見るとガッカリするというか……
(もちろんこれはフィクションで、全ての大きな病院がそうとは思わないけど)

政治家も医者も、権力なんて捨ててくれればいいのにと思う。
本当にしなければならないことのために努力してくれればいいのにと思う。
なんか、色々考えさせられてしまった。

しかし第2期の表紙はイマイチ、イケてないと思う、度 ★★★★☆
by happiness_riki | 2006-08-20 23:53 | *読書記録 作家か行