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『痕跡』パトリシア・コーンウェル

講談社文庫 上・下巻

検屍官シリーズ13作目

のっけから不満で申し訳ないが、今回上下巻に分冊されたのは単純に文字が大きく、
行間広くなったからだよね? 昔の文庫本の文字ポイントだったら絶対に1冊で
納まったよね??
(つーか、この厚さなら別に分冊しなくてもイケたのでは…とすら思うのだが…)

そして更に不満で申し訳ないが、作りが雑になってきたなーと思った。
上巻たっぷりかけて、リッチモンドの新検屍局長との確執やら、ヘンリのことを
書いておきながら、最後ナニこのぶっちぎり方。
下巻の最後の方、この残りページでちゃんと結末辿り着くのか心配したよ…。

こんな中途半端にぶっちぎるなら、別に新検屍局長とのことをあんな風にしなくても
よかったと思うのだが。事件の解決にも何の影響もなかった(よね?)し、何より
事件を解決したのは公の機関ではないのだし…。
っていうか、いいのかそれで?って正直思う。そりゃ法的機関でできることに限界は
あるけれど、でもその限界の中で頑張って解決を目指すことが正義であり安心でも
あると思うのだけど。
今のケイやルーシー、ベントンらのやり方は、いわゆる一般市民である立場から見ると
たとえ正義のための行動だとしても、安心できない。少なくとも信頼できる機関では
ない。

ところで個人的にドクター・フィールディングが好きなので、今回久々に登場して
嬉しかったのだが、これまた中途半端に放り出されて可哀想…。ケイもそれどころじゃ
なかったのはわかるけど、でもフォローくらいあってもよさそうな…。
(次回作『神の手』の登場人物一覧に名前なかったし、これきりなのか…?)

「エドガー・アラン・ポーグ」って名前はどういうつもりなのか…、度 ★★☆☆☆
by happiness_riki | 2006-02-06 18:06 | *読書記録 作家海外