人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『検屍官』パトリシア・コーンウェル

講談社文庫 再読

ここ数年、新刊が出ても購入するだけで積んである状態だったのだが(多分『審問』
あたりから…)、先月出た最新刊(『神の手』)にベントンが出てくるのが非常に
気になり。
未読のところから読み返してもいいのだが、人物関係とか忘れてる部分も多いので
いっそ再読…って我ながら気が長い話だが。
(というより飽きずに未読まで辿り着くと思えない…)

例えば宗教がカトリックだプロテスタントだ、黒人特有の喋り方だ、顔だちが北欧系、
先祖はどこどこから移民してきたのでどこどこの血が流れているだ、ブロンドの色が
薄いだ濃いだ、瞳の色がどうだ…
日本人が海外物を読んでいまいちピンと来ないことが多いのは、名前の覚えにくさも
あるだろうが、向こうの人たちが「人間」を判断する上で行なう上記のような観察が
我々にはほとんど無縁のことからくるのではないだろうか?
そういう描写が暗に含んでいる人物像を理解できないのは、まったくのさまたげには
ならないにしても、やはり作品空気の一部を感じられないという点で違和感を覚える
のだろう。
などと、今更なことを改めて思った。

ところでマリーノが最初(本人視点において)スカーペッタによそよそしかったのが、
途中からちょっと歩み寄るような態度に変わったのは、自分より更にスカーペッタに
対し敵対心を持つ人(しかも偉いさん)が出てくることによる天の邪鬼な心理のせい、
とか言ったらマリーノに悪いかな? 
(いやむしろスカーペッタに悪いかも? 頑張りが認められたから、の方が本人は
嬉しいだろう)
by happiness_riki | 2006-01-09 21:27 | *読書記録 作家海外