新潮文庫
深夜特急シリーズが有名な作家さんだが、読むのはこれが初めて。
そして読み始めたのは実に数年前という……
短編のルポ集なのだが、その1作目「おばあさんが死んだ」という作品の内容を
何かで知り、それを読みたいと入手したのでその作品以外にはあまり興味が持てず
なんとなく放置してしまっていた。
大御所といって差し支えのない作者さんが「ニュージャーナリズムの若き担い手」と
紹介されてるくらいの古い本なので(文庫の初版が昭和55年)、扱っている内容も
かなり古くなかなか読むのに難航した。
最初に言ったようにこの作家さんの作品というかルポルタージュを読むのが初めてなので
こういう書き方が特徴なのか、それとも若い頃の作品ゆえなのかわからないのだが、
一つのテーマの中で複数の人物を取り上げているものが非常に読みにくかった。
最初にある人物の話をし、その後別の人物の話にうつり、また突然最初の人物の話に
戻ったりと、まぁ別に書き方が変というわけでもないのだけど、何故かすごく唐突に
話が切り替わった印象を受けてしまった。
私があまり興味がない分野のルポだったせいかもしれないけれど、人のつながりの
劇的な部分などはもう少しわかりやすくできたんじゃないかと思ってしまう
とはいえ、興味がない分野でも難航しながらもそれなりに面白くは読めた。
最後に収録されている「鏡の調書」もどこかで聞いた覚えがあるような気がする事件で
これも興味深く読むことができた。
ただとにかく1作目の「おばあさんが死んだ」のインパクトはすごい。
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by happiness_riki
| 2024-01-16 04:43
| *読書記録 作家さ行